公益社団法人岩手県猟友会

よもやま話

年寄りの思い出

遠野猟友会 駒込 喜代吉

 鉄砲撃ちを始めたのは昭和31年28才の時でした。もともと私の祖父は鉄砲撃ちを41年間しておりました。私が小さいころ爺さんの後をついて歩き回ったものです。爺さんの袋を背負ってキジを撃つと袋に入れて喜んで背負って歩いたものです。クマ撃ちで仙人についていったこともありましたが、いざ猟が始まり山に置いて行かれ、一人きりになり寂しくなり泣き泣き山を歩いたこともありましたが、自分も大人になったら鉄砲撃ちになりたいと思っておりました。

 祖父が鉄砲撃ちをやめるということで祖父が41年間持ち続けた村田銃20番の鉄砲譲られてはじめました。10月に許可を受けて初めて撃ったのはクマでした。一発で仕留めました。

 その頃から山からクマが農家の畑におりてきてトウモロコシを食べるようになり、有害駆除を受けてクマを撃ったものです。その頃遠野に見えなかったシカのむれが見える様になり、2,3年になるとたちまち農家の畑にも来るようになり家の近くでも見る様になり農作物も食べられるようになりました。有害駆除を受けて畑でも撃ってもよくなりました。山には食べる物が少なくなり、草地の草も大分少なくなったようです。でも有害駆除でシカを撃つのであまり繁殖しないようです。

 私も95歳になり、銃の扱いもおろそかになる前に、今年の4月に銃を返納しました。

 これから「わな」猟を楽しみたいです。