公益社団法人岩手県猟友会

よもやま話

銃猟と罠猟の難しさ〖今後に期待して‼〗

八幡平市猟友会 林 知道

 私は、狩猟には全く興味がなく、山菜取りや渓流釣りが好きで、妻の実家へ頻繁に遊びに行っていました。妻のお義父さんから色々な話や狩猟関係の話を聞くうちに、徐々に狩猟に興味をもち始めました。妻のお義父さんと一緒に山を歩く度に『今年は去年に比べて山菜が食べられているな…。ニホンジカに食べられたからかな…。』と獣道を使い、帰りながらニホンジカの話題が頻繁に出るようになり、少しずつ狩猟免許を取りたい気持ちが湧いてきました。そのうち、妻の実家のご近所の奥さんが狩猟免許を取っていることをお義母さんに聞き、私も狩猟免許を取ることを決心し、平成30年に狩猟免許を取得しました。

 取得後の狩猟期間は、ほとんどの週末は妻の実家に泊まり、猟銃によるニホンジカ猟を勉強しています。ニホンジカは近くで発見するときもあれば、遠くでは200m~400m位で見つける場合もあり、近付く間に逃げられてしまったりと、反省する所が沢山あります。いずれはライフル銃を所持し200m以上のニホンジカを捕れるようになりたいと夢見ています。

 ニホンジカ猟をしているうちに、罠猟にも興味をもち、今年から本格的に罠猟を始めました。私は狩猟経験が浅く、山の地形を全て把握できていないレベルです。少しでも山を覚えたい…。罠のレベル向上をしたいという思いから、車で林道を走りながら罠を設置できそうな場所を探しました。以前、罠の講習会に参加した内容を参考に、獣道を利用して捕獲率が高くなる場所を探しました。ニホンジカが使っているであろう獣道と、大分前にイノシシが掘った可能性がある痕跡を見つけましたが、濃い獣道がなく自分なりにシミュレーションして罠を設置しました。その後直ぐに、ニホンジカを捕ることが出来ました。

 しかし、イノシシの足跡は全く見えない日々が続きました。八幡平市の狩猟登録交付日の研修会では、イノシシの目撃情報が毎年報告されています。私は、地元でニホンジカをたまに見ますがイノシシは見たことがなく、本当にいるのか信じていませんでした。罠を設置して約1ケ月が過ぎた頃、罠が掘り起こされる状態が続きました。本やユーチューブを参考に、イノシシが罠を掘り起こしていることを確信しました。イノシシは臭いに敏感ということから、罠付近に私の臭いが残らないように、罠の見回り用の服を洗わないようにしてみました。その後は掘り起こしはなくなりましたが、今後は別の悩みが出てきました。何も変化がない状態が数ケ月続き、罠を別の場所に変更するか…。心が折れ始め捕獲することを諦めていた日々が続きました。諦めずにいつかイノシシが来るだろうと気持ちを切り替えて待ちました。ある日の罠見回りで、車から降りて直ぐに、笹の中を走り回る音が聞こえました。姿が見えず緊張しながら近付くと、イノシシの顔を確認。初めて捕獲することが出来ました。今までの苦労が吹き飛ぶ位、嬉しい気持ちになりました。

 罠猟も反省、改善を繰り返し考え方を更新しながら取り組むことを経験しました。また、先輩に相談しアドバイスを頂き、狩猟生活本等やユーチューブからヒントを得ながら、ワイヤーや罠本体を作成して、時には市販の罠も購入し試しています。

 平日は仕事をしながら限られた時間で罠の見回りをしていますが、自分にあった狩猟スタイルを探し、無理のない範囲で狩猟を続けていけたらと思います。

 ニホンジカ猟やイノシシ猟ともに、まだまだ経験不足ですが、無事故で狩猟期間を過ごすことが出来るように、法令等を遵守しながら、慣れ、油断、過信をしないように狩猟に関わって行きたいと思います。  八幡平市には、解体専用施設がありません。いつの日か解体専用施設で、私が仕留めたニホンジカやイノシシを解体指導出来るようになりたい、また、おいしく大切な命を頂くようにジビエ料理を勉強して行きたいと思います。