公益社団法人岩手県猟友会

よもやま話

私の体験

胆沢猟友会 菅野 慶治

 最近急速に雉の姿が見られなくなりましたが、大きな原因の一つは狐狸等が非常に多くなり夜行性の動物に捕食されているためと考えられます。雉は地上に巣を作り産卵しているのを見たことがありましたが、運良く生まれたとしても飛べるようになるまでに2ケ月ぐらいは親鳥の後を追って歩くだけなので、狐や狸には簡単に捕食されてしまいます。20数年前に20センチ程の雪に押しつぶされた竹やぶの隙間に入って寝ていたメス雉3羽がわずか3メートル程の間で狸に食べられて雉の羽が散乱していたのを見たことがありましたが、狐や狸は鼻が良いので夜間でも離れた場所から臭いを取り、簡単に捕食できると考えられます。私の飼い犬も藪の中に落ちた雉を即回収してきましたが、狐や狸の方がすばらしい能力を持っています。10年程前北上川の堤防上を上流に向かって走っていた所100メートル程西方の積雪20センチ程の田んぼの中を1匹の狐が歩いているのを見たので、車を停めて見ていると突然右足を上げた状態で急停止し、次の瞬間50センチ程飛び上り頭から雪の中に飛びこみ、立ち上がった時に口に何か黒い物をくわえていましたがやがて食べ終ったのか又下流へ向かって田んぼの中を歩いて行きましたが、たぶん野ネズミを捕食したものと思いましたが雪の中で動く音を聞き取ったのか?私には理解できない能力を持っていると感心しました。厳しい野生の中で生きていく動物達の知恵も見習う必要を痛切に感じています。私達ハンターも野生鳥獣の知恵と能力を上回る知恵と能力を持たなければと考えています。

 10年程前から感じているのは山間部に限らず狸やハクビシンその他の獣類の死体が道路脇で見られ、カラスが集まって食べているのを多数見られます。令和4年8月5日地元の果樹園の有害駆除の集合場所に5人集まりましたが、1人の会員は狸の死体があったと言ってましたが回収してこなかったとのこと。もう1人の会員は近くの道路にハクビシンが死んでたとのことですぐに回収しに行きましたが、小さいハクビシンだったので鼻に白い毛は見られませんでした。私の自宅脇の畑のトウモロコシが3本狸に食べられましたが、12月に入り雪が積るようになると毎晩狐の足跡が家の周りに残ってまして、夜10時ごろ外へ出た時私の目の前5メートルの所を横切り隣の敷地内に人馴れしているのか走ることも無く歩いて入って行きました。令和元年11月15日毎年雉を多く見かける胆沢川上流部でメス雉七羽が田んぼで餌を食べているのを見ただけで、他の雉は1月15日まで1羽もみませんでした。令和2年は黒沢川岸でオス雉1羽捕獲しただけで1月15日まで他の雉は1羽も見ることができませんでした。令和2年度も大雪で猟場に車が入れず令和3年度も大雪で猟場に車が入れず11月15日より1月15日まで雉は1羽も見ることができませんでした。2年続けて大雪のため出猟日数が少なく県外ハンターの姿は猟期間中1人も見ることができませんが最近雉や地元で繁殖しているカルガモ等の数が非常に少なくなってきました。雉カルガモ等のヒナ鳥は孵化してから2ケ月近くは飛ぶことができないようですので、その間に狐や狸等に捕食されてしまうと思います。今年初めて夏に狸によるトウモロコシの食害があったことから、狸等の餌不足も考えられ狸等の数も確実に多くなってると心配しています。

金ヶ崎和光開拓地の林道で昨年11月29日に猪の親子を見ましたが令和2年より猪の数が足跡の数を見ると3倍以上に増加しています。広大な豆畑に出入りしていますので今後の食害が心配です。平成20年ごろまで同年代の佐藤さんと鴨猟や兎狩り猟を2人でよく出かけて行きましたが、私の兎猟は朝方疲れて寝る場所に入る直前の兎は夜寝ている間に狐や狸テン等の肉食獣に襲われるのが心配で、寝る場所に入る直前の足跡を誤魔化します。その方法は別図面で説明致します。寝屋に入る直前の足跡を私が見つけた時は仲間に寝足を見つけたよと無線で連絡をして立ち位置を指示し、追い出しをしますが声を出さずに近づき半数は兎が走り出す前に頭をねらって撃ちます。

雉の数が急に少なくなったのは毛皮の買い取り業者がいなくなり狐や狸テンを取るハンターがいなくなったのが一番大きな原因だと思います。狐狸テンの毛皮が一枚1万5千円で買い取って戴きました。

当時は、銃や罠を使って多数の人が狸等を捕獲したので雉の数が多くなり、岩手県は雉の宝庫だと言われ県外ハンターが大勢来た事がありました。鹿や猪のように高い補助金を出すようにしなければいずれ近い将来他に色々な被害が出てくると心配です。最近狩猟についての知識や経験の豊富な高齢者がいなくなり、これからの若いハンターの方々がどうしていくのか心配です。