公益社団法人岩手県猟友会

よもやま話

狩猟事故ゼロ、狩猟者定着を目指して

岩手県猟友会青年部長 辻山 拓也(東磐猟友会)

 今年度より青年部長の役を仰せつかりました。青年部は、次世代を担う若手狩猟者の交流を通じて、狩猟技術の向上、鳥獣の捕獲の担い手を育成すると共に狩猟文化の継承と発展を図るため、事業を行うもとされています。

 その中で極めて重要になってくるのは、狩猟者の定着を図り、事故・違反などを起こさず安全に狩猟を行うことだと思います。

 近年、一部の増えすぎた鳥獣による生態系・農林水産業等への被害が全国で深刻な状況であり、このような鳥獣の捕獲の強化が一層重要になっています。しかし、その一方で狩猟や有害鳥獣捕獲中の人身事故が多発していることから、捕獲の強化と併せて安全対策の強化が求められています。

 岩手県でも平成29年11月遠野市で猟銃が暴発による死亡事故が発生したことは記憶に新しいものと思います。事故にあわれた猟友のご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。鳥獣捕獲中の事故の多くは、基本的なルール(脱包の徹底、矢先の確認等)を守っていれば防げたものと考えられます。

 一度事故を起こせば、自分のみではなく、家族・全国の同じ趣味を持つ狩猟者に多大な迷惑を掛けるため、事故防止については徹底する必要があります。

 事故の防止に向け「矢先の確認」、「脱包の徹底」等は当たり前となっていますが、まずは自分が所持する銃に慣れること、銃の特性を掴むことが重要になるため、定期的に射撃場で練習し銃の取扱いを十分に覚えることが必要と思います。

 つぎに、狩猟者の定着についてですが、せっかく狩猟免許・猟銃所持許可を得ても3年後には更新せずに辞めてしまう方がいます。苦労して取得した免許等ですから更新もせずに辞めてしまうのは非常に残念であります。

 そこで、青年部では若手狩猟者の横の繋がりを作っていただくため、射撃交流会等の事業を通じて気軽に相談し合える仲間を作ることによって若手狩猟者の定着に寄与していきたいと思います。

 私も青年部の事業に参加することにより普段では交流することのない他の地区猟友会の若手狩猟者との交流をすることができたことは非常に良かったです。

 青年部の射撃交流会時はただ撃つだけでなく、銃の取扱いに重点を置きお互いに注意し合えるような風通しの良い組織作りも必要だと確信しています。

 青年部員が地区猟友会で後輩等ができた場合、安全な銃の取扱い等の指導をできるように青年部員それぞれがスキルアップをし、地区猟友会の中心的な狩猟者とて活躍していただきたいと思います。

 そのことが各地区の事故防止、猟友会の事故防に繋がるものだと思っています。

 最後に今年度の狩猟も間もなく始まりますが、会員各位が事故防止に努め今猟期も無事故で終え、楽しい狩猟ができるように基本を守り事故防止のための活動していただきたいと思います。