岩手県の狩猟に関する情報や、狩猟・猟銃未経験者の方が猟銃を手にし狩猟を始められるまでのステップを解説

有害鳥獣対策事業に思うこと

宮古地区猟友会会長 攝待 義男                                                                                                               

 東日本大震災から4年半になりますが、全国の多くの皆様から励ましとご支援を賜りまして大変ありがとうございました。

 特にも、被災猟友会員に対しまして県内の猟友をはじめ全国の猟友の皆様から暖かいご支援、お見舞いを賜り深く感謝申し上げます。

 今、当市では復興に向け家屋を失った方々が入居する災害公営住宅の建設、分譲地などの宅地造成、津波・高波から市内(市民の財産)を守る堤防の嵩上げ工事の公共工事や個人住宅の建設、民間事業者による工場等の再建・新築工事が行われ、さらには宮城県から岩手県沿岸を縦断し青森県に通ずる三陸道(高速道)の新設工事や当市川井地区から遠野市に通ずる国道のトンネル化を主とする改良工事が行われ大きく変わろうとしております。

 余談ではありますが、私も被災者です。被災地域では高台へ家が建ち、宅地造成がされています。かつて、ある施設建設用地造成のため、遺跡調査をお願いした時に縄文人の竪穴住居は小高い山や丘の上に位置している。海辺や川筋にはないと調査担当の話でした。生きるための猟(漁)や食料採取の場にいくら遠くても住居を高いところに造った。先人たちは自然の恐ろしさを知り尽くしていたのでしょう。今、縄文化しているのかな?

 さて、イノシシ、ニホンジカ、エゾシカ、ニホンザル、タヌキ、アナグマ、ハクビシン等の獣類やカラス、キジ、スズメ、カルガモなどの鳥類の有害鳥獣の食害による被害が全国に広がり、その被害額が2百億を超え、さらに増え続けているとされ、国では対策の計画策定を全国の県・市町村に求めるとともに、その事業費を予算化したことにより、我々鉄砲撃ち(ハンター)に大きな変化、過渡期を迎えることとなりました。

 縄文時代から続いた生活としての狩猟は、現代社会になり趣味としての狩猟から社会貢献としての狩猟へと!

 先日、町内自治会の役員会(私は自治会長を仰せつかっている)で、何かと忙しい話をしましたところ趣味のことでと一蹴されましたので、有害鳥獣の被害額とこの被害防止対策として今ハンターは消防団と同じように市長から辞令を受けニホンジカの捕獲をはじめ有害捕獲活動を年間を通じて行っており、活動の主旨は全く違う(町内の方に分かり易いと思い消防団を例にした)が単純に活動の日数はハンターの方が多くなると説明をしました。

 このように、ハンターの活動が社会一般に周知され、理解を得るまでには多少の時間を要するものと思います。

 当猟友会では、市内の猟友を5地区に分けて班編成し、さらにシカ対策班、鵜対策班、クマ対策班に班分けして猟期においては一定の活動日を設けてニホンジカの捕獲活動しており、また一定の期間閉伊川漁協からお願いされて鵜の捕獲を行っております。しかし、年間の活動について緑の多い(木の葉の濃い)時期の活動は自粛しているものの市や農家から捕獲等の依頼があった場合など特定の時は、班長に指示等を一任はしているが詳細が確立しておらず様々な面で会員又は隊員に対して周知不足ではないかと心配しており、今後検討が必要なものと思っております。

 いずれにしても、県事業委託によるニホンジカの捕獲事業や市有害鳥獣被害対策実施隊の活動事業において、2年前までは考えられなかった報酬、報償費やガソリン代等の費用弁償の金銭の給付が伴うことと狩猟税が減免されることになりました。

 今まで考えられなかった金銭が伴うことで、一頭捕獲していくらという感覚で活動をしては、必ずどこかで会員間の意識のずれなどが生じ組織が行きづまることなります。猟友会があってはじめて事業に参加でき、個人では参加できないことを忘れてはなりません。

 また、ニホンジカをはじめ捕獲鳥獣の専用の処理施設等はありません。今後、関係機関とも協議、検討していかなければなりませんが、無ければ無いなりに狩猟講習会等で学んだとおり捕獲者自身が責任をもって処理・処分をすることを確実に実行しなければなりません。放置することがあってはなりません。

 法令やマナーを守りどのように活動して、どのように社会貢献したらよいか猟友会員皆で考えていくことで社会にハンターが認められて(法的には認められているが)行くものと思います。このことを意識することで、事故防止にも繋がっていくものだと思います。特に事故は絶対にあってはなりません。一度事故が起きると我々の活動が理解されず、活動に係る予算も理解(計上)されなくなることが懸念されます。一人ひとりが射撃訓練会や会議(打合せ)には必ず参加することなど各自が自覚して社会貢献、事故防止を図って頂きたいと思います。

 重ねて述べますが、くれぐれも一頭いくらの感覚は持たず、皆で協力して無事故で社会貢献をして行くにはどのようにしていけばよいか考えて頂き、より良い猟友会になって欲しいと思っております。

 岩手県において、認定事業者制度が導入されても社会貢献の精神を失わないで猟友会が運営されればよいのではと思います。


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